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OJT体験レポート

『インテリア ライフスタイル』での商談通訳OJT

インテリア・デザイン市場のための国際見本市『インテリア ライフスタイル』(主催:メサゴ・メッセフランクフルト株式会社)が
2014年6月4日(水) - 6日(金)の3日間、東京にて開催されました。
第24回となる今回は過去最高の819 社(国内:607社 海外:212社)が出展、3日間で27,543名が来場。
ISSインスティテュート受講生は、海外出展者ブースでの商談通訳を担当しました。

ご自身の簡単なプロフィールと英語学習歴を教えていただけますか

アメリカ、カリフォルニア州の短大を卒業後、マーケティングリサーチやマーケティングプロモーション・PRの会社に計15年程勤務。どちらも、規模の小さい会社であったため、あらゆる業務を経験させていただきました。その中には、日常的な英語でのメールのやりとり、アメリカ人クライアントの日本でのアテンド、日本人クライアントの米視察アテンド、イベントやセミナーの企画運営、通訳・翻訳業務なども含まれました。仕事を通じて心から尊敬できる通訳者の方に巡り会い、「人と人の架け橋」であるこの仕事に興味を抱くようになりました。娘の幼稚園入園を機に会社を退職し、2007年秋よりISSインスティテュートの通訳者養成コースに通い始め、現在では単発の展示会やアテンド業務などの日英通訳のお仕事をさせていただいています。

今回はどのような仕事を担当されましたか

ポルトガルのホームテキスタイルメーカーのブース付商談通訳をさせていただいたのですが、担当させていただいた企業は、今回が初めての日本での展示会出展という事もあり、単なる通訳ではなく、日本の市場の特徴や主要なメーカー、商社、リテーラーについても説明するようにしました。
また、最初に「今回の展示会での達成目標」を確認しておき、それを叶えるべく、ターゲットになるであろう来場者の方へのお声掛けを積極的に行い、クライアントに繋げるように心掛けました。 クライアントは日本市場への参入に非常に興味を抱いており、とても熱心な方達であったので、来場者の皆様への対応もきめ細かく、非常に通訳のしがいのあるお仕事であったと感じています。
通訳業務内容としては、企業紹介・製品説明・輸出条件など、クライアントが説明することをその都度来場者の方へ伝え、また来場者の方の質問を通訳するというスタンスが基本でしたが、クライアントが来場者の方と直に英語で対応されている時に他の来場者がいらっしゃった場合など、状況によっては直接説明させていただき、その後逐一報告するようなど、臨機応変に対応しました。

事前準備はどのように行いましたか

まず、担当させていただく企業について頂戴した資料をくまなくチェック。その企業の特徴や取り扱っている製品について把握するようにしています。お仕事によっては取扱い製品自体「かなり馴染みのないモノ」というケースもあるのですが、その場合はより掘り下げたリサーチを行い、可能な限り自分の中に取り込む様に努めます。
今回でこの展示会3度目のOJTという事もあり、また、自動車部品や精密機器などとは違い、日常生活で馴染みのあるモノであったので、担当する企業のウェブサイトや動画をしっかりと確認した後、使われるであろう用語の復習をしました。 動画では製品ラインアップのみならず、製造工程も確認できたのでとても参考になりました。

苦労や失敗談を教えてください

最近の技術で開発された染料で、繰り返し洗濯しても色落ちしにくいのが特徴と説明された「reactive color」という言葉。私にとっては初めて聞いた業界用語で、電子辞書・ネットで調べても日本語訳が分からず前述の説明を付けながらカタカナで「リアクティブ・カラー」と訳出していたのですが、日本の繊維協会の方がいらっしゃって対応した際に「それ反射染料っていうんだよ。」とご指摘を受けてしまいました。バイリンガルの方でした。教えて頂き、素直に有難いと感謝したのですが、心の中ではやっぱり、正直、恥ずかしい気持ちになりました。
依頼されたお仕事の業界を知るには短期間ではかなり限度があると思います。これは、単発のお仕事の辛いところの1つでもありますが、「1つ1つお仕事を重ね、1つ1つ吸収して自分の引き出しを増やしていく。地道な努力がいつか功を奏す」と前向きに考えています。

授業とOJT現場ではどのようなところが違いましたか

授業では音声のみを頼りに訳出しなければならないのですが、展示会という現場では相手の表情や状況を把握したうえで通訳に臨めます。他方で授業では致命的な間違いを犯してもやり直しができますが、現場ではそれが許されません。OJTであれ「通訳者」として仕事をする以上、大きな責任を背負って現場に出るため責任重大ですが、それでも、私的には相手との意思疎通ができる現場の方がやり易いと感じています。
もちろん、身の丈にあったお仕事をさせて頂いているからそう感じられるのだと思いますが、コツコツと努力を重ね、自分の仕事の範囲を広げていければと考えています。

井艸さん、ありがとうございました。

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