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OJT体験レポート

『アジアビューティーエキスポ』での商談通訳

2018年6月、第8回となる『アジアビューティーエキスポ2018』(主催:全国美容用品商業協同組合連合会)が開催されました。
ISSインスティテュート受講生は、出展者ブースでの商談通訳を担当しました。

ご自身の簡単なプロフィールと通訳・翻訳学習歴を教えていただけますか

大学時代は日本語学科で、大学院時代と合わせて2回、交換留学生として日本に留学しました。卒業してからは日系コンサルティングファームの台北支店で5年間働き、結婚・出産後、家庭の事情で日本に移住しました。子育てのため、アルバイトや在宅翻訳に従事しましたが、他人と会話するチャンスがほとんどない日々を過ごす中で、以前会社で働いていた時のコミュニケーションや通訳の楽しさを思い出し、もっと能力を磨きたいと決心しました。2015年秋からISSで勉強し始め、途中、事情により休学した期間もありましたが、復学し現在に至ります。

今回のOJTにあたり、事前準備はどのように行いましたか?

展示会の開催主旨やクライアントの出展目的、通訳者である自分の役割を把握してから、当日の状況を想定し、事前準備の項目をリストアップしました。
通訳の事前準備に関しては、展示会に来る海外バイヤーとクライアントとの間での、商品情報や輸入に関する話が展開されると想定しました。どんな商材を聞かれてもイメージが湧くように、クライアントのホームページすべてに目を通しました。また、クライアントが取り扱っている商材が非常に多数にわたるため、特にアピールする予定のブランドを確認し、重点的にその商品の特徴などを覚えました。ホームページから拾った単語と、よく使われているインコタームズをまとめ、単語帳を作成し、暗記しました。その他、ドレスコードと食事の手配も確認しました。

授業とOJT現場ではどのようなところが違いましたか

授業ではできるだけ多くを吸収したいと考え、実際にはあまり拘らなくてもいいところにも拘泥してしまい、空回りすることも多かったのですが、今回の現場では、発言者の真意を捉えることに集中し、その場のコミュニケーションが円滑に進むように気を付けました。結果として、シンプルな内容の話であっても、バイヤーとクライアントの意思疎通ができると、通訳者としての自分の役割を果たすことができたという達成感を得られました。授業の充実感とはまた違ったものでした。

授業で勉強したことはどのように役立ちましたか?

授業では様々なテーマを取り扱い、専門用語が多い分野も少なくありません。毎回準備するときは大変でしたが、少しずつ自分なりの準備方法が確立できました。授業で実践的なトレニンーグを受けているお陰で、自信を持って仕事に臨むことができました。

苦労や失敗談を教えてください

展示会に来る方は、初めてやり取りする海外バイヤーもいれば、クライアントと長い付き合いの取引先の方もいました。事前に確認できませんので、双方の取引関係やどのような商談を進めているかなどを把握できないまま通訳せざるを得ない状況もあり、主語を間違えたり(後から修正しましたが)、発言者の真意を完璧には理解できず直訳になってしまったこともありました。商談の場合は、その場でも構わないので、双方の関係性をできる限り確認し、把握するのは非常に重要だと実感しました。

今回のOJTを通して、全体的な感想をお聞かせください

一番上のレベルである「通訳科2」まで勉強してきましたが、通訳者としての実践経験は決して十分ではありません。今回、まずは現在の自分の実力で対応できるお仕事のチャンスをいただき、自分にとっては意味深くやりがいのある経験でした。担当させていただいたクライアントも非常に親切で、現場経験を重ねていく上で良いスタートを切ることができ、非常に恵まれていると思います。

今後の目標や抱負をお聞かせください

通訳者としてはクライアントに信頼され、どんな案件でも落ち着いて対応できるように、学習者としては、コミュニケーションの楽しさを忘れずに勉強していきたいと思っております。

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