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OJT体験レポート

「第11回東京国際音楽マーケットTIMM2014ワークショップ」でのOJT体験

「第11回東京国際音楽マーケットTIMM2014ワークショップ」でのOJT体験

ご自身の簡単なプロフィールと学習歴を教えていただけますか

日本の短大を卒業後、アメリカ、カリフォルニアの大学に編入。大学卒業後、日本に帰国。外資系製薬会社の東京本社、IT部門に勤務し、グローバルチームとして欧米の拠点と行き来しながら勤務をしていました。業務の一部として、海外スタッフと日本人社員との通訳をすることもありました。
子どもをほぼ連続して出産したのを機に会社勤めは退職。一時育児に専念しながら、複数の英語資格を取得し、自治体の国際交流協会、弁護士会の有償通訳ボランティアとして、国際文化、スポーツイベントや法律相談の通訳を務めたり、国際会議のローカルスタッフや、講師アテンドなどを経験してきました。2010年にISSの英語通訳コース、入門科の受講を始め、途中休学を挟みながら現在はプロ通訳養成科1で学び、展示会などの通訳を経験させていただいています。

今回のOJTにあたり、事前準備はどのように行いましたか

イベントプロモーターである海外バイヤーの方の通訳として、日本国内音楽関連企業やアーティストの方々との商談の通訳を担当し、商談メモを作成しました。商談会中は、30分刻みで商談が入っているので、商談スケジュールの確認や、展示会場でバイヤーの方が商談の設定された企業以外に興味を持った出展者やアーティストの問い合わせなど、様々な業務に柔軟に対応しました。
準備としては、バイヤーの方の企業情報と、商談スケジュール、商談相手企業のリストが事前にISSから送られてくるので、インターネットでバイヤー企業、商談相手企業の企業情報と、商談リストにアーティスト名が明記されている場合は、そのアーティストの情報も確認しました。念のため、商談スケジュールの順番に整理して、プリントアウトを現場に持参し、商談の相手企業がいらっしゃる前に、バイヤーの方と、次はどのような企業か確認をしてから商談を行いました。
また、バイヤーの方の国でどういった音楽が人気があるかも調べ、必要そうな単語はリストアップして単語帳を作成しておきました。 今までの商談OJTの経験から、日本円とドルの為替レートは日々確認していますので、商談に臨む際もレートは把握した状態です。

準備とあわせて授業で勉強したことが活かされることはありましたか

授業でカントリーレポートを扱う際に、対象国の地理、歴史、文化的背景をリサーチするため、今回の商談でも、バイヤーの方の国のそれらを理解したうえで臨みました。やはり、商談においても、地名や有名な人物などの話題になることもあるので、そうした基本的情報を理解したうえで臨む方が通訳もしやすいです。
今回のOJTは、音楽という実際に手に取る商品のない商談を担当しました。 楽曲を聴けば、通訳なしで話も進むのではと思う時もある反面、楽曲を聴くことのできる機器を実際に持っていらっしゃらない商談相手の際には音楽を形容する語彙の大切さも認識しました。
授業でよく、表層的でない訳出の大切さや、スピーチ話者の自分の領域への愛情を理解して訳出といったお話があります。今回は特に、アーティストの方と直接商談する場面も多々あったので、授業でスピーチ音声のみ聴いて訳出するときとは違い、ご自分の楽曲への愛情を肌に触れて感じました。ここで、授業での指摘の、表層的ではない愛情を理解したうえでの訳出の大切さを実感しました。 また、通訳なしで楽曲を聴いたうえで、具体的なビジネスの進め方の話に移行する場面が多かったので、その場に黒子として存在していて、必要なときにはきちんと通訳をするというメリハリを、OJTで身に付けることができたと思います。
OJTと授業の相乗効果を感じています。 また、授業で行うトレンドの単語テストで、コンテンツは、日本の重点産業であるという位置づけを理解していたので、日本の伝統文化と先端技術を融合させた楽曲が多く商談で紹介されていたのを見て、その価値を再認識できました。授業で覚えた知識に肉付けができた感があります。

今回のOJTを通しての全体的な感想と今後の抱負をお聞かせください

今回のOJTで、今まで授業で身に付けてきた準備の仕方や、基礎知識を実践することができました。授業では、音声を聴いて、頭での理解だけではない、自然な訳出に注意をはらうのですが、現場では、話者と直接接したうえで訳出をするため、現場での方が自然な訳出ができました。その一方、商談に同席しての通訳なので自然さと即応性を重視するあまり、訳出の語彙が甘かった部分もあったのではという反省もあります。
総合的には、担当バイヤー様の希望、商談相手の企業の方の思いを伝えることで、双方のお役に立てたと実感できたことは今後のトレーニングの何より励みになりました。 今後もトレーニングを重ね、即応性を保ちつつ精度の高い訳出を心掛けて通訳スキルを向上させて行きたいと思います。

青木さん、貴重なお話をどうもありがとうございました。

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