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曽根先生の通訳学習相談室

今期から平日夜クラスで通訳訓練を始めた者です。アイ・エス・エス・インスティテュートには1回3時間クラスと2時間15分のクラスがありますが、私は都合により3時間の授業に出ることはできません。授業時間が短い分をどのように補ったらよいのでしょうか。(英語通訳コース本科1受講生)

通訳コースの授業時間と通訳スキル向上の相関性について、述べたいと思います。

通訳学校へ通って通訳訓練を受ける場合、1回3時間クラスと2時間15分のクラスとでは、授業時間が違うので、やはり、得られる効果は変わってくるのではないか、という疑問は多くの人が抱くと思いますし、この点については、クラスの選択に迷っている方々から、私もよく相談を受けます。確かに絶対時間数が少ないわけですから、授業で学ぶ「分量」には当然ながら差が出ます。3時間クラスのほうが明らかに「量的には」優位性があります。ただ「量的に」優位性があるということが、常に「質的に」より良い効果を上げるとは限りません。「量より質」という表現があることからもわかるように、「短時間だが、充実した学習ができている状態」の方が、「クラスの時間は多いが自分がそれをフルに生かしていない状態」より絶対的に優っているのです。

意識して頂きたいのは、3時間クラスであっても2時間15分クラスであっても、学校での授業が充実したものになるよう、自分で努力する必要があるということです。具体的には「授業に出席するにあたり、講師から指示された事を着実にこなすこと」が重要です。例えば、単語テスト、前回の授業の復習、次回のトピックに関する事前リサーチなど、クラスによって異なる課題が出ますから、求められた事を確実に仕上げてくること、まずはこれに尽きます。そして、これができたうえで、授業だけでは不十分だと思われる部分を補完するための自己学習を習慣づけていくべきでしょう。

授業に出席する時に、講師が求めている自宅での学習をちゃんと仕上げてこられない人は、「授業で教えられる内容を、自分が十分に吸収できない状態」で授業にやってくるわけです。それでは、「量より質」にはなりません。一回の授業時間が何時間であるか、という事にかかわらず、自宅学習においては、まず、授業を充実させて学習効果を高めるための「授業体制づくり」の努力をしましょう。そして「授業体制づくり」は完璧にできたという方は、個人のニーズに合わせた自己学習にとりかかりましょう。

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