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「未来」の通訳者・翻訳者を応援します
私たちアイ・エス・エス・インスティテュートは、
「未来」の通訳者・翻訳者を応援します!
ロンドン日本人学校
2021年夏、ロンドン日本人学校中等部の生徒さんより、通訳者の職業についてお問い合わせいただきました。
職業を調べてプレゼンテーションをするという学校の夏休みの宿題の一環で、ご本人の将来の夢である通訳という仕事について調べたいとの理由も添えられていました。
いただいたご質問には、ロンドン日本人学校ご出身で当校通訳者養成コースの柴原早苗先生にお答えいただきました。ご質問と回答の一部をご紹介します。
Q. 仕事をしていて嬉しいと感じるときはどんなときか
A.
通訳業では失敗が許されないため、事前に猛勉強をすることになります。毎日が受験勉強のような感じです。当日になるまでは寝ても覚めてもそのテーマのことを考え、ひたすら予習をしていますので、ハードです。でも、今まで自分が関わってこなかった分野について知ることができるのは、この上ない喜びです。また、普段の生活であれば決して行くことの出来ない場所(私の場合、東京にある英国大使館公邸や、自衛隊の輸送機搭乗などなど)、さらに決してお目にかかれない方々(ビル・ゲイツさんや企業のトップの方々など)にお会いすることができるのもこの仕事の醍醐味です。
Q. どんな人に向いているか
A.
好奇心があり、たとえミスを万が一したとしてもめげずに前向きでいられることです。声を使う仕事ですので、発声力や人と打ち解けられ、また、協力の姿勢がある人に向いていると思います。そして何よりも勉強が大好きなことです。
Q. 家庭と職業を両立させるために必要なことはなにか
A.
他者に頼ることだと思います。通訳者というのは努力家であることが多く、自分一人で頑張ることが好きというパターンになりがちです。でも、それはややもすると子育ても家事も仕事も一人で孤独に背負い込んでしまい、心身の不調につながりかねません。よって、保育園や祖父母、家事代行サービスや便利な家電などを活用することが良いと思っています。
Q. 中学生のうちにやっておいた方がいいことはなにか
A.
日々の授業を大切にして、基礎学習に励むことだと思います。日英通訳の場合、極端な言い方をすれば「中学校3年間分の英文法をおさえていれば、しっかりとした英文通訳につながる」というのが私の持論です。様々なことに興味を抱き、人とコミュニケーションをとることを意識してみてくださいね。また、最近はウェビナーなどで通訳が付いているものもあります。そうしたセミナーをたくさん受講して、現場の通訳者がどのようなパフォーマンスをしているかリサーチするのもおススメです。私は通訳者になる前、展示場などのセミナーに通いつめ、たくさんの通訳者の通訳を聞きながら、理想の通訳者像を作り上げることを意識しました。
ご質問いただいた生徒さんからは、感謝のお気持ちとともに、「特に今やっておくべきこと、今ちょうど勉強している中学の英語が大事だということでこれからはもっともっと真剣に授業に取り組みたいと思います」との決意もお伝えいただきました。
将来の夢の実現に向けて、少しでもお役に立てましたら幸いです。
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