金子 権一さん
本科3
【プロフィール】
通訳学校は私にとって敷居が高く感じられましたが、短期集中コース「はじめての通訳訓練」クラスに出会い、これならやっていけるのではないかと感じたのがきっかけです。復習を重視する学習スタイルが私には合っていると感じ、その後本科1からスター 卜し現在本科3を受講しています。
自然環境・ビジネス・経済・科学技術・軍事・国際関係・健康・医学・食品・投資・福祉・貿易など、学習する分野が広範にわたるのは本科1から同じですが、本科3になると毎回の教材が長くなり内容も細かく難易度が上がってきます。ナレーターの吹込みではない生音声が含まれることも特徴です。
復習に重点が置かれているのは本科3も同様で、英日・日英共に2週間後もう一度同じ教材で逐次通訳訓練を行います。私が受講している日英クラスでは、毎回復習で行ったパフォーマンスの自己評価表を提出しています。上手く訳出できなかった原因は何か、どうすれば出来るようになるか?電車の中などの隙間時間を使って、原因や対策を考え気付いたことをスマートフォンにメモし次の課題で試すようにしています。「復習でのパフォーマンス以上のものは初見で出せない。」英日講師のコメントですが、その通りだと思います。復習でのパフォーマンスを上げることが初見でのパフォーマンス向上につながると実感しています。
伸びていると感じるのは構文カです。教材で様々な分野の英文を学習してきたこと。特に、英日講師から推奨されている、リプロダクション訓練を復習の際取り入れることで、構文力が改善したと思います。日英では、話の流れに合わせて主語を選択し文章を構築していくようアドバイスを受けます。柔軟な構文の運用力が必要なため、道半ばですが少しずつ伸びてきているなと感じます。
また、日英では、ウィスパリングを経験する機会があります。初めて経験した時は、聞いた言語と話す言語が頭の中で入り乱れて全く対応できませんでした。今でも上手くできるわけではありませんが、頭の中で情報が分別されるようになり、同時に何かを行う感覚を掴むうえで大変役に立っています。逐次通訳でも、話の理解・ターゲット言語への変換・メモ取りは同時に行う必要があると思います。頭の中で複数の作業を同時進行させる感覚がつかめたことは、通訳力において”伸びた”と感じる一つです。
人生が豊かになると思います。特に私のようなシニアにとっては、人生後半でこんなにやりがいのある目標に出会えたことは幸運だなと思っています。また、若い方から私のようなシ二アまで、様々な年齢層そしてバックグラウンドの方々と一緒に受講できるのは大変刺激になります。
オンライン受講のお陰で、物理的に通学が出来ない方も受講が可能になります。それによってより幅広く多様なメンバーとご一緒出来る機会が得られます。私自身、今の職場から学校まで平日だと開始時間に間に合いません。また、昨今オンライン通訳案件が増えていると伺っていますので、その練習にもなるのではないでしょうか。
今受講している英日の担当講師の方には、本科1でもお世話になり、本科1の最後の授業で、1)悩む暇があったらリプロダクション。2)止めないこと。3)仕事をやってみること。以上3つメッセージを頂きずっと心に残り実践してきたつもりです。
日英では、プロの通訳とは?をテーマにいつもアドバイス頂いています。結果、顧客に喜ばれる通訳、また、AI時代の通訳という難しい課題への回答が提示されていると解釈しています。自分では決して気付くことの出来ない貴重なアドバイスです。
社内通訳として、参加者に喜ばれる通訳者になりたいと常々思っています。そのためには、今の逐次通訳力の質を高めるとともに、同時通訳が出来るところまで辿り着きたいと思います。何歳になっても通訳力は伸びると信じて日々取り組んでいきたいと思います。
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